介護福祉士になるには

介護福祉士になるには

介護福祉士になるには3つのルートがあります。

介護福祉士になるには、介護福祉士国家試験に合格する必要があります。
その介護福祉士国家試験を受験するための資格を得る方法(ルート)としては、「介護福祉士実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「養成施設ルート」の3つがあります。

〇介護施設(事業)での介護業務に従事経験がある場合

〇福祉系高校を卒業して取得する場合

〇介護福祉士養成施設を卒業して取得する場合
(2018年1月試験より受験必須。経過措置あり)

以上3つのルートのいずれかを選ぶ必要がありますが、現在の保有資格、実務経験、卒業学校の種類などによって取得までの道のりは異なります。介護福祉士になるための事例を紹介しますので、参考にしてみてください。

ステータス別 最短取得期間

ホームヘルパーから介護福祉士になるには 最短90日
働きながら介護福祉士になるには 最短90日
未経験から介護福祉士になるには 最短1年
中卒から介護福祉士になるには 最短3年
社会人から介護福祉士になるには 最短3年
働きながら介護福祉士資格を目指すなら『実務経験ルート』
介護士として働きながら介護福祉士の資格取得を目指すのであれば『実務経験ルート』がおすすめです。実務経験ルートでは「実務経験3年以上 + 実務者研修の修了」で介護福祉士の受験資格を得ることができます。
実務者研修はお持ちの資格にもよりますが、最短1か月半程度で受講修了しますので働きながらでも修了することができます。また費用面でも養成施設や福祉系高校に通うよりも断然安く、出費を抑えられるのでおすすめの取得方法です。

介護福祉士の受験に必要な『実務者研修』とは?

実務者研修は2013年の介護資格制度の改正によって、「ホームヘルパー1級」と「介護職員基礎研修」を一本化した後継資格として誕生しました。研修は450時間のカリキュラムを通して、2年以上の養成課程を持つ「介護福祉士養成校」の到達目標と同等の知識・スキルを身に着けることを目標としています。
2017年からは介護福祉士国家試験の受験資格として「実務者研修の受講・修了」が義務付けがされたので、実務者研修は介護福祉士資格を目指すうえで必須の資格となっています。
介護福祉士の資格を取得しようと考えている方で、また実務者研修を受講されていない方は、まずは実務者研修を受講しましょう。

護福祉士国家試験の受験概要について

2022年度 介護福祉士国家試験の試験日程
介護福祉士国家試験は年に1度実施されます。
2022年度の試験は、
●筆記試験
2023年1月29日(日)
午前の部:10:00~11:50
午後の部:13:45~15:35
●実技試験
2023年3月5日(日)
※福祉系高校卒ルート、経済連携協定(EPA)ルートで受験した方のみ
に実施される予定です。
合格発表は2023年3月24日(金)

筆記試験はマークシート方式で、基本的には5つの選択肢から回答を選択するかたちとなります。

介護福祉士国家試験の合格ライン

合格率は概ね70%前後で推移しています。同じ介護系資格のケアマネジャーが合格率20%前後であるのと比べても、介護福祉士は比較的合格率の高い試験だといえるでしょう。

筆記試験の合格基準点は『総得点(125点)の60%程度(75点)とし、問題の難易度によって補正される』とされており、しっかりと試験対策をしておけば決して難しい試験ではありません。

介護福祉士ってどんな資格

介護福祉士ってどんな資格

介護系資格唯一の国家資格

介護福祉士とは、社会福祉士及び介護福祉士法(1987年5月26日制定、2007年12月5日改正)により定められた介護系資格唯一の国家資格です。
法律では、「介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと」と定義されているように、介護福祉士国家試験を合格した者のみが名乗ることができる「名称独占資格」です。
資格を取得することで「専門的知識及び技術」を有することが証明でき、職場のチームリーダーとしての役割、介護のスペシャリストとしての期待も大きく、介護業界においても重要な位置づけとなっています。

介護のキャリアパスの到達点

2013年4月1日の介護保険法施行規則改正で複雑だった介護資格制度が見直され、入門資格である「初任者研修」、応用編の「実務者研修」を経て、「介護福祉士」を目指すというキャリアパスが確立されました。
介護福祉士は介護の仕事をする人にとってはひとつの到達点といえるでしょう。

また、民間資格ではありますが、介護福祉士の上位資格として『認定介護福祉士』も一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構により創設され、2021年6月1日現在で68名の認定介護福祉士が誕生しています。

介護福祉士の取得メリット

『国家資格』であり、確かな知識・スキルを証明できる!
介護福祉士資格は介護系資格の中で唯一の国家資格ですので、取得することで国に認められた介護職であると証明することができます。
取得の過程においても、2013年の介護資格制度の改正により、初任者研修、実務者研修を通して450時間の研修と3年以上の実務研修が必須となったため(実務経験ルートの場合)、確かな知識・スキルと実務経験があることが証明できます。
そのため、就転職時には有利になることはもちろん、将来的にも安定した雇用につながることは間違いないでしょう。

介護福祉士資格を持っていると待遇面にもメリット

介護福祉士資格を持っていることで、待遇面での違いも出てきます。介護事業所(施設)によって違いはありますが、介護福祉士資格取得者と初任者研修修了者の給料を比較してみました。

〇取得資格別 給料例

取得資格 正社員(月給) パート・アルバイト(時給)
初任者研修 月給20万円 時給1,100円
介護福祉士 月給24万円 時給1,300円
※資格手当込みの表記

上記給料は有料老人ホームでの一例ですが、介護福祉士の資格を持つことで正社員の場合『月4万円(年間で48万円)以上』の差があります。パート・アルバイトの場合は勤務時間にもよりますが、月22日間勤務(8時間/日)で考えれば『月3.5万円(年間で42万円)程』の違いがあります。
また、主任や現場リーダーになると、役職手当が付くためさらなる給料アップが見込めます。
介護福祉士の詳しい年収・給料事情は『介護福祉士の給料・年収は?』で詳しく解説しています。是非参考にしてみてください。

介護福祉士は仕事領域の幅が広がる
介護福祉士はヘルパーとしてのお仕事だけでなく、サービス提供責任者・生活相談員・チームリーダーなど管理職のお仕事を任されることも考えられます。
また、介護福祉士よりも上位資格である「認定介護福祉士」を目指す方や、相談業務を主とする「ケアマネジャー」を目指す際にも必要になってくることでしょう。